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相続登記とは?手続き方法・義務化決定に伴う罰則まで解説

相続登記とは

相続登記とは、相続によって取得した不動産の名義を変更する手続きです。相続登記は、不動産の所在地を管轄する法務局に必要書類を提出して行います。

2022年時点では、相続登記は義務化されておらず、相続登記が行われないまま所有者不明となってしまう土地が増え続ける問題が発生していました。

2017年度国土交通省の地籍調査でも、調査対象地に占める所有者不明土地の割合は約22%となっており、うち相続登記未了を原因とする割合が約66%を占めました。

しかし、2024年4月1日からは相続登記が義務化されました。詳しく確認していきましょう。

2024年から相続登記が義務化されました

2024年4月1日からは相続登記が義務化され、相続の開始と所有権の取得を知った時から3年以内に相続登記を完了させないと罰則を受ける恐れがあります。

なお、相続登記の義務化が施行される以前に相続した不動産においても、相続登記を完了させていない場合、改正法の施行日から3年以内に相続登記をしなければなりません。

ただし、その一方で相続登記義務化に伴い登記手続きが簡略化されるようになりました。

相続登記義務化以前は、法定相続人全員や遺言執行者の協力がなければ相続登記は行えませんでした。

法改正と同時に新設される「相続人申告登記制度」を活用すれば、相続人が登記名義人の法定相続人である旨を申し出ることで、登記官が相続人の氏名および住所などを職権で登記できるようになります。

その際、相続人全員で申出を行う必要はなく、単独または他の相続人の分も含めた代理申請も可能となり、添付書類も簡略化される見込みです。3年以内にこの申し出を行えば、相続登記の義務を履行したと見なされ過料を免れます。

相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合であっても相続登記をしやすくなる効果が期待できます。

相続登記義務化が決まった背景

相続登記が義務化されることになった理由としては、相続登記をせずに放置され所有者がわからなくなった土地、所有者と連絡がつかない土地が増えたことがあげられます。

所有者不明の土地によるデメリットは、以下の通りです。

  • 国や自治体が公共工事用に買取できなくなる
  • 災害対策の工事ができない
  • 土地の活用ができない

所有者不明になってしまい管理が行き届かない、国や自治体が介入できない土地を少しでも減らすために、相続登記を義務化する法律が制定されました。

相続登記をしないで放置する
リスク・デメリット

相続登記義務化に伴い、相続登記がすんでいない土地の所有者は罰則を受ける恐れがあります。

また、罰則以外にも相続登記をせずに不動産を放置するとリスクやデメリットが生じます。詳しく確認していきましょう。

相続登記義務化による罰則を受ける

本記事で解説しているように、2024年4月1日以降は相続登記が義務化されます。

相続によって取得した不動産の相続登記を3年以内にすませない場合、10万円以下の過料が科せられるのでご注意ください。

相続人が増えて権利関係が複雑になってしまう

相続登記が完了しないまま相続が繰り返されてしまうと、相続人(共有者)が雪だるま式に増えてしまう恐れがあります。

相続人が増えた結果、疎遠だった人や関連性が薄い相続人と話し合い、遺産分割協議を進めなければならないケースもあるでしょう。自分の子供や孫の世代に負担を遺さないようにするためにも、相続登記をすませておくのがおすすめです。

不動産の売却や活用ができなくなる

相続登記による名義変更がすんでいない土地や建物は、売却や活用もできません。そのため「相続した土地に住む予定がないので現金化したい」と考えている場合でも、相続登記自体はすませる必要があります。

不動産を担保にできなくなる

相続登記がすんでいない土地は、所有者が誰なのか証明できない土地です。そのため、土地を担保に融資を受けようとしても審査が降りないケースがほとんどです。

相続した土地にアパートやマンションを建てて不動産経営をしたい、建設資金は土地を担保に金融機関に融資してもらうといった場合には、相続登記をすませてから金融機関に相談しなければなりません。

相続土地国庫帰属制度を利用できない

相続登記義務化と合わせて、所有者不明土地を減らすために相続土地国庫帰属制度(相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属をに関する法律)が創設されました。

相続土地国庫帰属制度とは、相続または遺贈によって取得したものの活用予定がなく不要な土地を国に帰属できる制度です。

建物が建っている土地や、担保権が設定されている土地は制度の対象とならなかったり、10年分の管理費相当額を負担する必要があるなどやや要件は厳しめですが、この相続土地国庫帰属制度を利用すれば、売却や活用が難しい土地を手放しやすくなります。

相続土地国庫帰制度の手続き方法や必要書類はまだ明らかになっていませんが、恐らく登記簿謄本は必要になるはずです。そのため、相続登記がすんでいない土地は相続土地国庫帰属制度を利用できない可能性が高くなってしまいます。

相続登記の手続きの流れ・必要書類

相続登記は、不動産の住所地を管轄する法務局にて行います。流れや必要書類を詳しく確認していきましょう。

相続した不動産に関する情報を集める

まずは、相続した不動産の地番や家屋番号を調べましょう。以下の書類を用いれば、不動産に関する情報を確認可能です。

  • 固定資産納税通知書
  • 登記済権利証
  • 登記簿謄本

戸籍謄本等の必要書類を収集する

続いて、亡くなった人と相続人の関係性を証明する戸籍謄本などを収集します。合わせて、遺産分割協議に必要になる相続財産に関する証明書類も合わせていきましょう。

なお、亡くなった人が遺言書を遺していない場合、故人が生まれてから死亡するまでの全ての戸籍謄本の取集が必要になり、大変時間と手間がかかります。

書類を用意するのが大変、難しいと感じる場合には費用はかかりますが、相続に関する専門家に相談するのも有効な選択肢のひとつです。

相続人全員で遺産分割協議を行う

相続人および相続財産に関する調査や必要書類の収集が完了したら、相続人全員で遺産分割協議を行います。遺産分割協議とは、相続人全員で誰が何の遺産をどれだけ相続するかを決める話し合いです。

なお、亡くなった人が遺言書を作成していた場合には、遺産分割協議を行う必要はありません。

相続登記に必要な書類を作成する

遺産分割協議が完了したら、決定した内容を遺産分割協議書にまとめます。相続登記を行う際には、遺産分割協議書の他にも登記申請書や相続関係説明図などの作成も必要です。

法務局に書類を提出する

必要書類の収集および作成がすべて完了したら、法務局に提出しましょう。法務局へ相続登記を申請する方法は、以下の3種類があります。

  1. 窓口に持参する
  2. 郵送する
  3. オンライン申請

自分で相続登記を行う場合には、書類の不備があった際に指摘をしてもらえる窓口への持参がおすすめです。なお、不備をその場で直せるように、登記申請書に押印した印鑑も持参するようにしてください。

関連サイト法務局「不動産登記の申請書様式について

相続手続きは
当サポートセンターにお任せください

相続手続きには相続登記だけでなく、遺産分割協議書の作成や相続税申告など様々な手続きがあります。

さらに、これらの手続きはそれぞれ対応できる専門家が異なるので注意が必要です。例えば、相続登記や遺産分割協議書の作成は司法書士や弁護士が行いますが、相続税申告や相続税対策は税理士が対応します。

そのため、相続手続きを専門家に依頼するときには、各専門家で連携を取りながら進めていくのが非常に重要です。杉並・中野相続サポートセンターでは、司法書士や行政書士、その他の専門家と協力体制を取りながら相談者様の相続手続きを進めていきます。

「複数の専門家を探さずワンストップで依頼してしまいたい」と考えている場合には、ぜひ当サポートセンターまでお問い合わせください。

当サポートセンター・対応エリア

初回利用者向けの無料相談も行っておりますので、相続に関する疑問やお悩みをお持ちの方はお気軽にお問い合わせくださいませ。

まとめ

相続登記が行われず放置された土地が増え続けていることを理由に、2024年4月1日から相続登記が義務化されます。

2024年4月1日以降は、相続によって取得した不動産の登記手続きを3年以内に完了しない場合には10万円以下の過料が科せられます。

なお、相続登記の義務化は法改正以前に相続で手に入れた不動産も対象です。そのため、まだ相続登記がすんでいない土地や建物を所有している人は、できるだけ早く相続登記を完了させるのがおすすめです。

相続登記は自分で行うこともできますが、司法書士や弁護士に依頼すれば数万円程度で行ってもらえます。

相続手続きは相続登記だけでなく、遺産分割協議書の作成や相続税申告など多岐にわたります。また、それぞれの専門家ごとで依頼できる手続きは異なります。

相続手続きを専門家に依頼する場合には、他の専門家と協力体制を取りながら手続きをワンストップで行ってくれる相続の専門家に相談するのが良いでしょう。

杉並・中野相続サポートセンターでは、相続税申告の相談だけでなく、相続登記を行う司法書士と協力しながら相続手続きを進めることも可能です。

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