賃貸アパートで相続税対策するメリット・デメリットを解説します【税理士事務所監修】

杉並・中野相続サポートセンター
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賃貸アパートで相続税対策するメリット・デメリット

不動産の相続税評価額は市場価格の7~8割程度になるので、現金や預貯金よりも相続税の節税効果は高いといえるでしょう。アパートやマンションなど賃貸経営用の不動産であれば、相続税評価額をさらに下げられます。

一方で賃貸アパート経営には空室リスクや災害リスクもあるので注意が必要です。

相続税対策に賃貸アパートを活用する際には、メリットやデメリット、リスクを考慮して判断するのが良いでしょう。本記事では相続に強い税理士が多数在籍する杉並・中野相続サポートセンターが、賃貸アパートで相続税対策するメリットやデメリット、相続税評価額の計算方法を詳しく解説していきます。

相続税対策にアパート経営を
活用するメリット

現金や預貯金で相続財産を所有しておくよりも、アパートを建てて賃貸経営をした方が相続税の節税効果は高いです。アパート経営で相続税対策をするメリットを4つ確認していきましょう。

不動産は現預貯金と比較して評価額が安い

アパートの建物や土地などの不動産は、それぞれ下記の評価額を用いて課税対象額を計算します。

建物固定資産税評価額
土地相続税評価額(路線価方式もしくは倍率方式)

固定資産税評価額は市場価格の70%程度であり、土地相続税評価額は市場価格の70~80%程度で計算されます。そのため、同じ市場価値の現金や預貯金と不動産を比べた場合、不動産の方が相続税評価額が安くなり相続税対策になります。

借家権と借地権を相続税評価額から引ける

アパート経営をしていると、借家権割合や借地権割合を用い、相続税評価額をさらに安くできます。借家権割合や借地権割合とは、アパートとして他人に貸し出していて土地や建物の自由度が下がる分、評価額を下げる目的で用いられる数値です。

賃貸アパートの相続税評価額は記事の後半で詳しく解説しますが、賃貸アパートやマンションは自宅として利用している不動産よりもさらに相続税評価額が下がると覚えておきましょう。

小規模宅地等の特例を適用可能

賃貸アパートが建っている土地は、小規模宅地等の特例の対象です。賃貸アパートの敷地は、貸付事業用の土地として分類され、要件を満たせば小規模宅地等の特例で土地200㎡までの評価額を50%下げられます。

土地の相続税評価額を大幅に下げられるので、相続税の節税効果も期待できます。

ローン残債には債務控除が適用される

自己資金のみでなくローンも組んで賃貸用のアパートを建て、故人がローンの返済を遺して亡くなった場合には、ローンの残債に対して債務控除が適用されます。

現金や預貯金、不動産、有価証券などといったプラスの相続財産とアパートのローン残債を相殺できるので、相続税の課税対象財産を減らす効果が期待できます。

相続税対策に
アパート経営を活用するデメリット

これまで紹介してきたように、アパート経営をすれば相続税の課税対象財産を減らすことが可能です。ただし、相続税対策としてアパート経営をするにはデメリットもあります。それぞれ確認していきましょう。

空室リスクがある

アパート経営には空室リスクがあります。空室が増えてしまうと、賃貸収入が入ってこなく不動産経営が赤字になってしまう恐れもあるでしょう。さらに、相続発生時に空室が多いと賃貸割合も減り、相続税評価額が下がりにくくなってしまいます。

結果として空室の多い賃貸アパートを相続すると、相続税の節税はできたものの経営的には赤字の不動産を所有する可能性もあるので注意が必要です。

リフォーム費用や管理費用がかかる

アパートは定期的にメンテナンスが必要であり、リフォーム費用も数百万円近くかかる場合もあります。収益計画でリフォーム費用は考慮されているのか、リフォーム時にまとまった資金を用意できるかなど考えなければならないことが多いです。

また、リフォーム費用だけでなく、近年では異常気象による災害リスクにも備えなければなりません。さらに、家賃の回収などアパート経営に関する管理は不動産管理会社にまかせることもできますが、相応に費用がかかることも押さえておく必要があります。

賃貸アパートの相続税評価額計算方法

賃貸アパートで相続税対策をするのには、メリットとデメリットがあります。ここでは、実際のところ賃貸アパートを建てると相続税評価額がどれくらい削減できるのかをシミュレーションしていきましょう。

賃貸アパートが建っている土地の相続税評価額計算方法

賃貸アパートが建設されている土地の相続税評価額は以下の方法で計算可能です。

更地の相続税評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

借地権割合は、30~90%で設定されています。借家権割合とは、全国一律で30%です。賃貸割合とは、建物の床面積合計に対して賃貸されている床面積の合計の割合です。

例えば、以下の条件の土地の相続税評価額を計算してみましょう。

更地の相続税評価額8,000万円
借地権割合50%
借家権割合30%
賃貸割合80%

8,000万円×(1-0.5×0.3×0.8)=7,040万円

今回のケースでは、更地の土地8,000万円に対し、アパートが建っている土地は7,040万円の相続税評価額となったので、8,000万-7,040万円=960万円も相続税評価額が下がりました。

賃貸アパートの建物の相続税評価額計算方法

賃貸アパートの建物部分の相続税評価額は、以下の方法で計算できます。

建物の固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)

下記の例で計算してみましょう。

建物の固定資産税評価額5,000万円
借家権割合30%
賃貸割合80%

5,000万円×(1-0.3×0.8)=3,800万円

今回の例では賃貸アパートを経営していることで、1,200万円も相続税評価額を安くできました。

相続税対策でアパート経営するときの注意点

先ほど解説したように、賃貸アパートは個人で利用する不動産と比較して大幅に相続税評価額を下げられます。しかし、賃貸アパート経営には注意点もいくつかあるので確認していきましょう。

賃貸需要があるか予測する

日本は人口が減少傾向にあり、今後も賃貸需要のある土地とそうでない土地の差が激しくなると予想されます。自分が賃貸アパートを建てようとしているエリアでは、需要があるのかを必ず見極めておきましょう。

賃貸需要のない土地にアパートを建てても収益を生み出す可能性は低いですし、空室が多いと賃貸割合が下がるので相続税評価額も下げにくくなります。

実質利回りの計算をしておく

不動産経営は、表面利回りと実質利回りがありますが、経営予測を反映しやすい実質利回りを計算しておきましょう。表面利回りがアパートの建設費用や購入費用と年間収入のみの要素で計算するのに対し、実質利回りでは固定資産税やリフォーム費用、空室率なども考慮して計算します。

表面利回りが高くても実質利回りが低いと、空室が増えたときや賃料が低下した時にキャッシュフローがマイナスになってしまい、アパート経営が立ち行かなくなってしまう恐れもあります。

相続時には準確定申告が必要な場合もある

アパート経営をしていた人が亡くなった場合、故人のかわりに相続人が所得税の確定申告を行う準確定申告が必要な場合があります。準確定申告の期限は、相続開始から4ヶ月以内と短いのでご注意ください。

不動産の登記を終えておく

不動産の所有権は原則取得と同時に移転しますが、極端に相続発生と接近したタイミングで取得されたような不動産については、租税回避行為とみなされる可能性があります。

仮に被相続人が余命宣告を受けて入院中であったり、判断能力がない状態で不動産が取得されたような場合は、物件の取得が本人の意志によってなされたのかが厳しく問われる可能性が高いといえます。

相続税対策として不動産を取得するときは、取得と契約だけでなく、登記まで終わっていたほうが望ましいといえます。

相続税対策は
当サポートセンターにお任せください

賃貸アパート経営は、不動産の相続税評価額を下げられるので確かに有効な相続税対策のひとつです。しかし、相続税対策にはアパート経営以外にもいくつか方法があり、資産状況や家族構成によってもベストな対策が変わってきます。

自分に合う相続税対策を選び手続きを進めるには、相続に関する専門的な知識が必要です。自分では決められない、何からすれば良いかわからないとお悩みの人は、相続に精通した税理士に相談するのも良いでしょう。

当サポートセンターでは開業して30年以来、2,500件を超える相続の相談をお受けしてきました。その経験や知識を活かしてご相談者様一人ひとりの希望や資産状況に合ったご提案をいたします。

当サポートセンター・対応エリア

初回利用者向けの無料相談も行っておりますので、相続に関する疑問やお悩みをお持ちの方はお気軽にお問い合わせくださいませ。

まとめ

賃貸アパートは、相続税評価額が市場価格よりも大幅に削減できるので、相続税対策の効果が見込めます。一方で、賃貸経営には空室リスクや災害リスクもありますし、固定資産税やリフォーム費用なども負担になります。相続税の節税効果だけを見て、賃貸アパートを決めるのはあまり得策ではありません。

建設予定の土地は賃貸需要がありそうか、実質利回りは高いかどうかなど総合的に判断して賃貸アパートの経営を始めるようにしましょう。相続税対策には賃貸経営以外にもいくつか方法があります。他の相続税対策と比較したい場合には、相続に詳しい税理士に相談するのも良いでしょう。

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