相続が発生すると様々な手続きを行わなければなりません。
例えば、被相続人が遺言書を作成していなかった場合には、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。遺産分割協議もしくは遺言書で誰がどのように財産を受け継ぐかを決めたら、相続財産ごとに名義変更手続きを行います。
また、相続財産の金額が一定以上の場合には、相続税申告が必要です。相続手続きの中には、期限が決まっているものもあるので、効率よく書類を収集していかなければなりません。
本記事では、代表的な相続手続きに必要書類の一覧や集め方を相続に強い税理士が多数在籍する杉並・中野相続サポートセンターが紹介します。
目次
被相続人が遺言書を用意していなかった場合、誰がどの遺産をどのように相続するか遺産分割協議で決めなければなりません。
遺産分割協議に必要な書類は、主に下記の通りです。
書類一覧 | 収集方法・備考 |
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被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村役場で請求する |
相続人全員の戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村役場で請求する |
被相続人の住民票除票もしくは戸籍附票 |
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相続人全員の印鑑証明書 | 相続人の住所地の市区町村役場で請求する |
相続放棄受理証明書 | 相続放棄した相続人がいる場合に必要。相続放棄した家庭裁判所で請求する |
財産目録 | 相続人が作成する |
なお、遺産分割協議で話し合った内容は遺産分割協議書にまとめます。
遺産分割協議書の作成や必要書類の収集は、専門家にも依頼できます。遺産分割協議書は、相続税申告や各財産の名義変更手続き時に必要です。
被相続人が遺した相続財産が基礎控除を上回る場合には、相続税申告が必要です。
相続税申告時には、下記の書類を被相続人の最後の住所地を管轄する税務署に提出しなければなりません。
書類一覧 | 収集方法・備考 |
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相続税申告書 | 国税庁ホームページもしくは税務署で入手する |
被相続人と相続人の関係を証明する書類 |
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相続財産を証明できる書類 |
不動産
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債務・葬式費用を証明する書類 | 債務
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控除・特例を受けるための書類 | 相続税の配偶者控除や小規模宅地等の特例を適用する場合に必要 関連記事 小規模宅地の特例を受けるには?相続税評価額を減らせる要件・添付書類 |
上記のように、相続税申告時には相続財産や相続人、適用する控除や特例によって必要書類が変わってきます。
特に、被相続人に甥や姪など関係性の遠い人物が相続税申告をするケースや複数の控除や特例を適用するケースは必要書類の数が多いです。
相続税申告は相続開始から10ヶ月以内と決められていますので、必要書類を効率よく集めましょう。
自分で必要書類の収集をするのが難しい、どんな書類が必要か知りたい場合には相続に詳しい税理士にご相談ください。
相続時には、現金や預貯金、不動産などの相続財産の名義変更手続きを行わなければなりません。代表的な相続財産ごとに名義変更手続き時に必要な書類を解説します。
被相続人が遺した預貯金を相続する際には、被相続人が利用していた金融機関に下記の書類などの提出が必要です。
書類一覧 | 収集方法・備考 |
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名義変更依頼書 | 金融機関が指定する書式。金融機関ホームページや金融機関で直接もらう |
遺産分割協議書もしくは遺言書 | 遺言書がある場合には、遺産分割協議書は不要 |
相続人全員の印鑑証明書 | 相続人の住所地の市区町村役場で請求する |
相続放棄受理証明書 | 相続放棄した相続人がいる場合のみ必要。相続放棄した家庭裁判所で請求できる |
土地や建物など不動産を相続する際には、法務局で名義変更手続きが必要です。法務局での名義変更手続き時には、下記の書類を用意しましょう。
書類一覧 | 収集方法・備考 |
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登記申請書 | 自分で作成するか司法書士に作成してもらう |
被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村役場で請求する |
被相続人の住民票除票もしくは戸籍附票 | 住民票除票
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相続人全員の戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村役場で請求する |
遺産分割協議書もしくは遺言書 | 遺言書がある場合には、遺産分割協議書は不要 |
不動産を受け継ぐ相続人の住民票 | 相続人の住所地の市区町村役場で請求する |
手続きする不動産の固定資産税評価証明書 | 不動産の住所地の市区町村役場で請求する |
手続きする不動産の登記事項証明書 | 最新のものが必要。法務局で請求する |
上場株式や投資信託などを相続した場合には、証券会社にて名義変更手続きが必要です。
なお、非上場株式を相続した場合には発行元の会社に問い合わせ名義変更手続きを進めましょう。証券会社の名義変更手続きに必要な書類は、主に下記の通りです。
書類一覧 | 収集方法・備考 |
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株式等の名義変更申請書 | 証券会社ごとに書式が決まっている。証券会社に問い合わせをして受け取る |
被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村役場で請求する |
相続人全員の戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村役場で請求する |
本籍地のある市区町村役場で請求する | 相続人の住所地の市区町村役場で請求する |
遺産分割協議書もしくは遺言書 | 遺言書がある場合には遺産分割協議書は不要 |
関連記事株の相続方法と必要書類まとめ
被相続人が亡くなったときに自動車を所有していた場合には、自動車も相続財産に含まれます。
自動車の名義変更手続きに必要な書類は、主に下記の通りです。
書類一覧 | 収集方法・備考 |
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車検証 | 原本が必要 |
車庫証明書 | 発行から40日以内のもの。車庫証明の住所地を管轄する警察署で請求する |
被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村役場で請求する |
相続人全員の戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村役場で請求する |
相続人全員の印鑑証明書 | 相続人の住所地の市区町村役場で請求する |
遺産分割協議書もしくは遺言書 | 遺言書がある場合には遺産分割協議書は不要 |
相続人が単独か複数かなどでも名義変更手続きに必要な書類は変わってきますので、疑問点があれば、相続に詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
また、被相続人が生前、運転していた自動車だとしても所有者が異なる、リース契約をしていたなどのケースもあります。
名義変更手続きを行う前に、必ず自動車の所有者が誰だったかを確認しましょう。
相続税申告時には、被相続人と相続人の関係性を証明する書類や相続財産に関する証明書類が必要です。
相続税申告には期限がありますし、相続財産が漏れた状態で相続税申告をすると税務調査がくる恐れや加算税や延滞税などのペナルティが発生する恐れがあります。
相続税申告を期限内に確実に完了したいのであれば、相続に強い税理士が多数在籍する「杉並・中野相続サポートセンター」までご相談ください。
当サポートセンターでは開業して30年以来、2,500件を超える相続の相談をお受けしてきました。その経験や知識を活かしてご相談者様一人ひとりの希望や資産状況に合ったご提案をいたします。
相続が発生したときには様々な手続きが必要であり、それぞれの提出先に必要書類を提出しなければなりません。
相続手続きの中には、相続税申告などのように期限が決まっているものもあります。期限内に手続きを終えるためにも、必要書類の収集や作成は計画的に行いましょう。
平日の日中は仕事をしていて書類の準備ができない、小さな子供を育てていて何から相続手続きを始めれば良いかわからないとお悩みの場合には、相続に詳しい税理士への相談をおすすめします。