相続税の基礎控除とは?相続人の数との関係・計算方法・注意点を解説

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相続税の基礎控除とは?相続人の数との関係・計算方法・注意点を解説

相続税には基礎控除が用意されており、相続財産の課税対象額が基礎控除内に収まる場合、相続税の申告や納税は必要ありません。

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算できますが、法定相続人になる人物や法定相続人として数えられる養子の上限は法律によって決められています。

遺産を受け取った人物全員が法定相続人として数えられるわけではないので、ご注意ください。

また、相続財産の課税対象額が基礎控除額を上回った場合は、相続発生から10ヶ月以内に相続税の申告や納税をしなければなりません。

本記事では、相続税の基礎控除の計算方法や相続税計算の流れを相続に強い税理士が多数在籍する杉並・中野相続サポートセンターがわかりやすく解説します。

相続税の基礎控除とは

相続税には基礎控除が用意されており、相続財産の合計額が基礎控除額を下回る場合は、相続税の申告と納税が必要ありません。

相続税の基礎控除の計算式

相続税の基礎控除は3,000万円+法定相続人の数×600万円で計算可能です。例えば、相続人が配偶者及び子供2人の場合は3,000万円+ 3人× 600万円=4,800万円が相続税の基礎控除額です。

関連サイト国税庁「No.4152相続税の計算

相続税の基礎控除計算時に
法定相続人を数える方法

相続税の基礎控除を計算するときの法定相続人の数え方は民法によって決められています。詳しく見ていきましょう。

法定相続人になる人物は民法で決められている

法定相続人は誰でも自由になれるわけではなく、民法によって下記のように決められています。

相続順位被相続人との関係
常に相続人になる配偶者
第一順位子(孫)
第二順位親(祖父母)
第三順位兄弟姉妹(甥・姪)

例えば、被相続人に配偶者と子供が3人いた場合は4人が法定相続人になります。

また、法定相続人にあたる人物がすでに死亡している場合は、法定相続人の子供が代襲相続人になります。

たとえば下記のケースでは長男Aが相続発生より前に死亡しているので代襲相続が発生します。結果として、配偶者と次男B、長男Aの子供2人の合計4人が法定相続人です。

  • 相続人は配偶者および長男Aと次男B
  • ただし、長男Aはすでに死亡している
  • 長男Aには子供が2人いる

法定相続人に含まれる養子の上限は2人まで

養子縁組をすると法律上の親子関係が生じ、養子は養親の相続権を持ちます。しかし、養子を増やし相続税の基礎控除を増やし節税することを防ぐため、法定相続人に含められる養子の数は下記のように上限が設定されています。

上限被相続人に実子がいたかどうか
1人実子がいた
2人実子がいなかった

ただし下記に該当する場合、人数制限なく法定相続人として数えることが可能です。

  • 特別養子縁組で被相続人の養子となったケース
  • 被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子となったケース
  • 被相続人と配偶者が結婚する前に特別養子縁組で配偶者の養子になっていて、結婚後に被相続人の養子となったケース
  • 被相続人の実子が死亡していて養子が代襲相続人となっているケース

上記のように、配偶者の連れ子と養子縁組した場合は相続税対策による養子縁組でないと考えられるので、制限なく養子を法定相続人として数えられます。

関連サイト国税庁「No.4132相続人の範囲と法定相続分

相続放棄をした相続人がいても基礎控除の金額は変わらない

相続人の中に相続放棄をした人物がいたとしても基礎控除額を計算する際は、相続放棄した相続人も法定相続人として数えて計算可能です。

相続放棄をした相続人を法定相続人からのぞき、相続税の基礎控除額を計算する必要はありません。

相続放棄とは、相続人としての地位を放棄しプラスの財産やマイナスの財産を一切相続しなくなる手続きです。相続放棄をした相続人ははじめから相続人ではなかったとして扱われますが、相続税の基礎控除の計算のみは例外なのでご注意ください。

相続税を計算する流れ

相続財産の合計額が基礎控除額を上回る場合、相続税の申告および納税が必要です。相続税を計算する流れや基礎控除額を相続財産から控除するタイミングを解説していきます。

相続税の課税対象額を計算する

まずは、故人の遺産を調査し相続税の課税対象額を計算しましょう。相続税の課税対象となるのは現金や預貯金だけでなく、下記の財産も含まれます。

相続税の課税対象となる財産

  • 現金
  • 預貯金
  • 不動産
  • 有価証券
  • 国債
  • 小切手
  • 貸付金
  • ゴルフ会員権
  • 著作権
  • 骨董品
  • 宝石
  • 名義預金
  • 死亡保険金
  • 死亡退職金
  • 被相続人が亡くなる3年以内に相続人に贈与した財産

現金や預貯金は額面がそのまま相続税の課税対象額となります。

一方で、不動産などは相続税評価額をもとにそれぞれ課税対象額を計算しなければなりません。被相続人が遺した財産の種類がわからない場合や数が多く評価額の計算が難しい場合は、相続税を専門とする税理士にご相談ください。

相続財産の合計額を算出したら、基礎控除額と比較をしましょう。相続財産の合計額が基礎控除額より低い場合は、相続税の申告や納税は不要です。

相続財産の合計額が基礎控除額を上回る場合は、相続税の計算をしていきましょう。例えば、相続財産の合計額が1億円であり、基礎控除額が4,800万円の場合、相続税の課税対象額は5,200万円となります。

法定相続分による遺産分割をしたとして相続税額を決定する

続いて、法定相続分で遺産分割をしたとして相続税額を計算します。下記のケースで考えてみましょう。

相続税の課税対象額5,200万円
相続人配偶者、子供2人

上記のケースの法定相続分および相続税額はそれぞれ下記の通りです。

相続人法定相続分相続税額
配偶者2,600万円340万円
子供それぞれ1,300万円ずつそれぞれ145万円ずつ

それぞれの相続税額を合計した「340万円+145万円+145万円=630万円」が相続税額となります。

各相続人の相続分に応じて相続税を計算する

相続税額を計算したら、各相続人の相続分に従って相続税も按分します。例えば先ほどのケースで、配偶者がすべての遺産を相続した場合の相続税額は下記の通りです。

相続人相続税額
配偶者630万円
子供0円(かからない)

相続税の税額控除・加算を行う

最後に、利用できる相続税の控除や特例がある場合、税額から控除を行います。

例えば先ほどのケースでは配偶者は「相続税の配偶者控除」を適用可能です。相続税の配偶者控除を適用すれば1億6,000万円もしくは法定相続分までは相続税がかかりません。

そのため、先ほどのケースでは実際には配偶者の相続税額は0円となります。

基礎控除以外に使える相続税の控除・特例

相続税には基礎控除の他にも控除や特例が用意されています。具体的には、下記の通りです。

控除・特例概要
相続税の配偶者控除1億6,000万円もしくは法定相続分のどちらか高い方の金額まで相続税がかからない
小規模宅地等の特例被相続人が遺した事業用・居住用の宅地等の相続税評価額を最大8割減らせる
未成年者控除相続人に未成年者がいる場合に利用できる
障害者控除相続人に障害者がいる場合に利用できる
贈与税額控除過去に支払った贈与税額を相続税額から控除できる

控除や特例にはそれぞれ適用要件がありますので、自分が利用できる控除や特例があるか知りたい場合は、相続税に精通した税理士に相談するのがおすすめです。

相続税の申告・節税は
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初回利用者向けの無料相談会も開催しておりますので、お気軽にお問合せください。当サポートセンターの対応エリアは以下の通りです。

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まとめ

相続税には基礎控除が用意されており、相続財産が基礎控除内に収まる場合、相続税の申告や納税は不要です。そのため、相続税はすべての人にかかるわけではないのでご安心ください。

ただし、相続税は相続発生から10ヶ月以内に行うという期限があります。期限内に相続税の申告可否を確認し、場合によっては申告や納税資金の準備をするのは非常に大変です。

ミスなく期限内に相続税申告をしたいのであれば、相続に精通した税理士に相談するのも良いでしょう。

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