孫は本来、法定相続人ではないですが生前贈与を行えば、孫に自分の財産を遺せます。
ただし、生前贈与を行う際には贈与税がかかるので、事前に贈与税のシミュレーションをしてから贈与を行うのが大切です。
また、孫に対して生前贈与を行うときには、様々な控除や特例を利用可能です。控除や特例を利用すれば、贈与税を大幅にできる可能性もありますので、ぜひ活用をご検討ください。
本記事では相続に強い税理士が多数在籍する杉並・中野相続サポートセンターが孫に生前贈与を行う方法や注意点を解説していきます。
目次
まずは、孫に生前贈与を行う代表的な方法を6つ紹介していきます。それぞれの方法にメリットとデメリットがあるので、自分に合った贈与方法を選びましょう。
そもそも祖父母と孫はそれぞれ扶養義務者であり、生活費や教育費に関する贈与であれば非課税とされています。孫の入学金や通学費用、下宿先の生活費を負担する分には、贈与税はかかりません。
ただし、生活費や教育費の贈与を行うときには、贈与税がかからないようにするために以下の点にご注意ください。
贈与税には年間110万円の基礎控除額が用意されています。基礎控除額内に収まる贈与であれば、贈与の目的や相手に関わらず贈与税は発生しません。
贈与税の基礎控除額を利用して毎年生前贈与を繰り返す方法を「暦年贈与」と呼んでいます。
暦年贈与は祖父母の年齢が若く、長期にわたり贈与を行えそうな場合には節税効果が高くおすすめです。
ただし、暦年贈与ではなく複数年にわたる定額贈与であると税務署に指摘されないように、対策をしておく必要があります。具体的には、以下の対策を取っておけば税務署から定額贈与と指摘されにくいです。
なお、祖父母の年齢が高齢であり、長期にわたる生前贈与が難しそうな場合には、これから紹介する控除や特例を活用して、生前贈与を行うのがおすすめです。
相続時精算課税制度とは、2,500万円まで贈与税が非課税になる制度です。2,500万円を超える金額を贈与した場合でも、贈与税は一律20%で計算されます。
相続時精算課税制度を活用すれば贈与税は節税できますが、贈与された金額は相続発生時に相続財産と合わせて相続税の計算を行います。
そのため、直接的な相続税対策にはならないのでご注意ください。相続時精算課税制度を利用すべきケースは、主に以下の通りです。
なお、相続時精算課税制度は一度利用すると取り消せず、制度利用後は暦年贈与を行えなくなるのでご注意ください。
自分が相続時精算課税制度を利用すべきかの判断は難しいので、相続や生前贈与に詳しい税理士に相談することをおすすめします。
教育資金の一括贈与を活用すれば、最大1,500万円まで贈与税を節税可能です。
さらに暦年贈与との併用も可能ですので、大幅に贈与税を節税できる場合があります。ただし適用できる子供や孫は30歳未満までと決められています。
贈与を行うときには、教育資金の贈与専用口座を開設し子や孫が教育費として使用した分を都度引き出す仕組みです。
引き出しに少し手間がかかる点や教育資金以外で活用した贈与には贈与税がかかる点がデメリットといえるでしょう。
住宅取得等の資金贈与の特例では、子供や孫に住宅購入や建設、リフォームに活用する目的で行った贈与に関して、以下の金額まで非課税にできる制度です。
省エネ等住宅の場合 | 1,000万円 |
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それ以外の住宅 | 500万円 |
特例は住宅に対してではなく、贈与を受けた者ごとに適用可能です。そのため、夫婦それぞれに特例を活用して贈与を行えば、最大2,000万円まで節税できます。
結婚・子育て資金の贈与の特例は、結婚や18歳から50歳までの子供や孫への贈与に活用できる制度です。
名前の通り、結婚や子育て資金を目的とした贈与であれば、最大1,000万円まで贈与税がかかりません。ただし、制度を活用する際には以下の点に注意が必要です。
孫への生前贈与は、相続を1回スキップできるので相続税対策として有効だと考える方も多いかもしれません。しかし、孫への生前贈与には注意すべきポイントもいくつかあります。それぞれ確認していきましょう。
相続開始より3年以内に行われた贈与は、相続税の課税対象財産に含まれます。
ただし、以下の例外ケースを除き、孫への生前贈与は相続開始の3年以内であっても相続税の課税対象には含まれません。
上記のケースでは、孫が法定相続人として扱われるので、3年以内の生前贈与は相続税の課税対象財産に含まれてしまいます。
孫へ生前贈与を行うときには、贈与のたびに贈与契約書を作成するようにしてください。生前贈与は贈与者と受贈者の合意があれば行えますが、贈与契約書がないと第三者に贈与があったことを証明できません。
例えば、税務調査が入ったときに名義預金や定額贈与だと疑われてしまう恐れもありますし、相続時に親族でトラブルに発展する恐れもあります。
暦年贈与を行っていて毎年贈与を行っている場合でも、贈与のたびに贈与契約書を作成するようにしてください。
贈与税の税率には、一般税率と特例税率の2種類があります。
特例税率の方が税率は低いですが、特例税率を利用できるのは直系尊属から成人している受贈者に贈与した場合のみです。
そのため、孫が18歳未満の場合には特例税率を適用できず一般税率で贈与税の計算が行われ、贈与税が高くなってしまいます。
本記事で紹介したように、孫への生前贈与には様々な方法があります。
どの方法を選択すべきかどうかは、贈与者や受贈者の年齢や贈与目的、贈与する金額によって異なります。
上記のケースのように、自分に合う生前贈与を選びたいのであれば、相続や生前贈与に詳し税理士に相談するのが良いでしょう。
杉並・中野相続サポートセンターでも、孫への生前贈与方法の提案から実行まで一括でサポート可能です。
相続税対策や孫への生前贈与に疑問やお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
初回利用者向けの無料相談会も開催しておりますので、まずは一度お気軽にお問い合わせくださいませ。
孫へ生前贈与を行えば、孫の教育費や生活費のサポートができます。
また、自分から子供、孫へと順番に財産を受け継ぐ必要がなくなり、相続税を1回分スキップできるのもメリットといえるでしょう。孫への生前贈与には様々な方法があり、資産状況や生前贈与の目的によって選ぶべき方法が異なります。
自分に合った生前贈与の方法を知りたいのであれば、相続に詳しい専門家に相談するのがおすすめです。相続に詳しい税理士に相談すれば、生前贈与方法の提案から贈与税の計算、申告まで一括で任せられます。