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除籍謄本とは、戸籍の中に入っている人が全員いなくなったことを証明する写しです。戸籍は夫婦と未婚の子で構成されており、死亡や結婚、本籍地の異動などによって戸籍から除かれます。
そして、戸籍から全員抜けることを「除籍」と呼び、除籍の写しを除籍謄本と呼びます。
戸籍抄本とは、戸籍に入っている1人もしくは複数人の記載事項を証明する写しです。
それに対して、除籍抄本とは除籍に記載されている1人もしくは複数人の内容を証明した写しです。例えば、戸籍抄本は相続人が生きていることを証明するための書類として使われることがあります。
改製原戸籍謄本とは、戸籍の電子化や戸籍法の改正により戸籍が作り変えられた(改製された)ときに発生する以前の戸籍です。
相続人調査では、被相続人が生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本類を取得する必要があり、人によっては改製原戸籍の取得が必要な場合もあります。
関連サイト練馬区「改製原戸籍謄本・抄本」
除籍の全部事項証明書とは、役所内で戸籍の保管を電子化している場合に発行してもらえる書類です。
除籍の全部事項証明書と除籍謄本は除籍の管理方法が異なるだけですので、証明できる内容や記載内容に違いはほとんどありません。
関連サイト練馬区「除籍全部事項証明書(除籍謄本)
除籍抄本は除籍に記載されている1人もしくは複数人の写しであるのに対し、除籍謄本は除籍に記載されている全員分の写しです。
なお、除籍抄本も除籍謄本も1通につき750円の発行手数料がかかるため、わざわざ除籍抄本を取得するメリットは少ないともいえるでしょう。
関連サイト練馬区「除籍個人事項証明書(除籍抄本)」
相続発生時に除籍謄本が必要になるのは、被相続人の相続人が誰か確定させる作業が必要だからです。
具体的には、相続発生後は被相続人が生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本や除籍謄本、改製が必要となります。
戸籍謄本などをもとに相続人を調査しないと、被相続人の配偶者や子供などが知らなかった生き別れの兄弟姉妹や隠し子の存在を見過ごしてしまう可能性もあります。
後から追加で相続人が見つかると遺産分割協議などの手続きのやり直しが必要になるので、漏れなく相続人調査を行い、相続人を確定させるためには除籍謄本が必要になるのです。
除籍謄本は全国各地の市区町村役場で請求する、本籍地のある市区町村役場に郵送請求するなどの方法があります。
2024年3月からは全国各地の市区町村役場で除籍謄本を一括請求できるようになったため、相続人調査を行いやすくなったといえるでしょう。
関連サイト法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」
除籍謄本の取得方法および必要書類は、下記の通りです。
取得できる人 |
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取得方法 |
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取得先 |
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取得費用 |
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必要書類 |
直接役所に行って請求する場合
郵送請求の場合
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相続手続きの際に除籍謄本を取得する際には、死亡届の提出後すぐに除籍謄本を発行してもらえない点に注意しなければなりません。
相続手続き時に除籍謄本を取得する際の注意点は、主に下記の通りです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
家族や親族が亡くなり死亡届を提出すると、戸籍や住民票に死亡の事実が反映されます。
ただし、死亡届の提出から戸籍などに死亡の事実が反映されるまでには1~2週間ほどかかる点にご注意ください。そのため、死亡届を提出したタイミングで被相続人の除籍謄本を取得することはできません。
相続手続きの期限が迫っており、できるだけ早く被相続人の除籍謄本を取得したい場合は、死亡届提出時にいつ頃から除籍謄本を取得できそうか尋ねておいても良いでしょう。
マイナンバー制度により、一部の自治体では戸籍謄本のコンビニ交付を行うようになりました。コンビニ交付を利用すれば、役所に行かなくても近くのコンビニで24時間365日戸籍謄本を発行できます。
戸籍謄本のコンビニ交付は非常に便利な制度ですが、2024年4月時点でコンビニ交付できるのは最新の戸籍謄本のみです。
除籍謄本はコンビニで発行できないので、本記事の前半で解説したように役所での請求もしくは郵送請求によって取得しましょう。
関連サイトコンビニエンスストア等における証明書等の自動交付【コンビニ交付】「コンビニ交付とは」
除籍謄本はその戸籍に誰もいなくなったことを証明する写しであり、相続手続きでは昭和初期やもっと昔に作成された除籍謄本を確認しなければならないときもあります。
しかし、昭和初期より前に作成された除籍謄本の場合、毛筆で記載されている、旧字体で書かれている場合があります。
結果として、除籍謄本の収集に成功したとしても「内容を判読できない」「読めない」可能性もあるのでご注意ください。
古い除籍謄本や改製原戸籍を読み解くには、古い戸籍に関する知識や経験が必要なことも多々あります。
自分たちで除籍謄本を読み解くのが難しい場合や確実に相続人調査を行いたい場合は、相続に詳しい専門家に依頼することをご検討ください。
本記事でも何度か解説しましたが、相続人調査を行う際には被相続人が生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍が必要です。
出生から死亡するまでの連続した戸籍謄本類を用意しないと、相続人も把握していなかった生き別れの兄弟や隠し子がいる可能性を排除できないからです。
また、万が一、生き別れの兄弟や隠し子など新たに相続人になる人物が見つかった場合、その人も交えて相続人全員で遺産分割協議を行わなければなりません。
遺産の分け方を決める遺産分割協議は相続人全員で行わないと無効になってしまいます。
被相続人が生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本を収集する際には、被相続人の最後の戸籍謄本からさかのぼって取得していきましょう。
戸籍謄本には前の本籍地や新たに戸籍が作られた理由が記載されているため、新しいものからさかのぼっていけば収集した戸籍謄本類に連続性があるか確認しやすいからです。
また、2024年3月以降は戸籍法の改正により、本籍地以外の市区町村役場でも戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍謄本を一括して取得できるようになりました。
これにより、相続人調査の手間が少なくなったといえるでしょう。
相続が発生したときには、相続人調査や相続税申告など様々な手続きをしなければなりません。
相続人調査を行う際には、被相続人が生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍などを集めなければなりません。
これらの手続きを漏れなくスムーズに行うためには、専門家への相談や依頼もご検討ください。
専門家に相談すれ相続人調査にかかる時間や手間を節約できますし、相続に詳しい税理士に相続税申告を依頼すれば報酬以上に税金を節税できる可能性もあります。
相続税申告は、相続に強い税理士が多数在籍する「杉並・中野相続サポートセンター」までご相談ください。
当サポートセンターでは開業して30年以来、2,500件を超える相続の相談をお受けしてきました。弁護士・司法書士などの専門家と協力体制を取りながら、ご相談者様の相続手続きをワンストップでサポート可能です。
杉並・中野相続サポートセンターは西荻窪駅・徒歩1分に事務所を構え、下記エリアを中心とした地域密着の相続相談を承っています。ぜひご相談ください。
家族や親族が亡くなったときには相続人調査を行う必要があり、被相続人が生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍を集めなければなりません。
戸籍法の改正により、本籍地のある市区町村役場以外でも除籍謄本を取得できるようになったとはいえ、古い除籍謄本は解読が難しく相続人調査には相続に関する知識や経験が必要です。
相続人調査や相続財産調査をミスなく行いたい場合や相続税申告や遺産の名義変更手続きまで一括で専門家に任せたい場合は、相続に詳しい税理士などに相談するのが良いでしょう。