杉並・中野で相続手続き、遺産相続、遺産分割協議書、名義変更、遺言書作成サポート!
杉並・中野相続サポートセンター
TEL: 0120-317-080
平日 9:30~19:30

相続人が認知症の場合は?相続における手続き方法と注意点を徹底解説

長寿の人が増えている現在、亡くなる人の年齢が高くなっているため、遺産を相続する人の年齢も高齢化しています。相続が発生した際に相続人に認知症の人がいるケースが増えてきました。そのため、相続人が家族の死を認識できないほど認知症が重くて、遺産分割協議が思うようにすすめられないケースが多く見られます。

この記事では、相続人に認知症の人がいる場合にはどうしたらいいのか、どんなデメリットや注意点があるのかについて、徹底的に解説していきます。

認知症の人が相続人にいる場合のデメリットとは?

相続人が認知症の場合
相続人が重度の認知症の場合でも、その相続人を除外して遺産分割協議を進めることはできません。しかし、遺産分割協議に同席したとしても、認知症の人の意思表示は判断能力が十分と認められず、法的に無効とされています。

そのため、認知症の人がいる場合、相続手続きをするうえで様々なデメリットがあります。ここではどのようなデメリットが考えられるか、掘り下げて考えてみます。

認知症の相続人は遺産分割協議に参加できない

先ほども触れたとおり、相続人が認知症の場合、その相続人は遺産分割協議に参加できません。遺産分割協議は法的に有効な意思能力、つまり自分自身の法律的な行為や、それによる結果を判断できる能力が必要です。

そのため、意思能力が認められない重度の認知症の場合は、遺産分割協議に無理やり参加させたとしても、その遺産分割協議は法的に無効となってしまいます。

また、認知症である相続人の意向を無視して遺産分割協議を行ったり、遺産分割協議書に認知症の相続人の署名や捺印を勝手にしてしまったり、勝手に相続を放棄させたりすることは不正となります。

遺産分割協議から何年経過しようとも、不正が発覚すれば協議内容が無効となる場合もあるのです。

ただし、軽度の認知症の場合は遺産分割協議へ参加できることもあります。認知症の症状はさまざまなので、そのときのケースに応じて判断することが重要です。

遺産分割ができない場合、相続税が高くなる

相続税が発生するケースでは、少しでも税金を抑えられるように税理士がシミュレーションを行った遺産分割案をもとに遺産分割協議が行われるのが一般的です。

しかし、相続人に認知症の人がいて、遺産分割が不可能な場合は法律通りの法定相続分に則って相続税を申告しなければなりません。その結果、遺産分割をする場合と比べて、相続税が高額になってしまう場合もあります。

遺産が不動産の場合、共有となってしまう

遺産分割ができず法定相続分での相続しか行えないと、不動産を複数の相続人で相続しなければならず、共有となってしまいます。

不動産は単独の相続人が相続することが一般的で、不動産を複数の人で共有する状態は望ましくありません。しかし、相続人のうち一人に不動産を相続させるためには、相続人全員の実印を捺印し署名した遺産分割協議書の作成が必要です。

相続人が認知症の場合、法的意思能力が認められないため遺産分割協議書を提出作成できません。そのため、法定相続分で相続するほかなく、不動産が共有となってしまうのです。

認知症の人が相続人にいても可能な相続手続きとは?

相続人に認知症の人がいる場合でも、すべての相続手続きができないわけではありません。遺言書の有無に関わらず、それぞれ進められる相続手続きはあります。しかし、遺言書の有無により、その内容は大きく変わってきます。

ここからは「遺言書がある場合」「遺言書がない場合」に分けて、相続手続きが可能なケースを、詳しく見ていきましょう。

遺言書がある場合

法的に認められる条件が整っている遺言書がある場合は、遺産分割協議書を作成しなくても、遺言書の内容に沿って相続手続きを進めることが可能です。ただし、内容によっては進められない相続手続きがあります。

遺言書によって、認知症ではない相続人が不動産や預貯金を相続する場合、不動産の名義変更や預貯金の払い戻し手続きを進められます。また、認知症である相続人が預貯金をすべて相続し、不動産は認知症ではない人が相続する場合も手続きは可能です。

ただし、遺言執行者が認知症の相続人である場合は、遺言執行事務を執り行えないため、家庭裁判所に新しい遺言執行者を選任してもらう必要があります。遺言書に遺言執行者を認知症以外の人に変更することも対策の一つです。

また、認知症の相続人は不動産を相続できません。遺言書に認知症の相続人が不動産を相続すると明記されていたとしても、相続人に法的判断能力が認められない場合は、不動産の名義変更手続きを進められません。

その場合は、成年後見制度の利用が必要です。成年後見人となった人が、認知症である相続人の代わりに不動産の名義変更手続きの申請を行います。

遺言書がない場合

遺言書がなくても、法定相続分通りにすべての財産を相続することは可能です。しかし、不動産は相続人全員の共有となってしまいます。

このケースは、不動産の売買や賃貸が困難で、固定資産税の支払いでもトラブルとなりがちです。相続の手続きが煩雑になる場合もあり、現実的ではありません。

特別代理人を立てることもできる

遺産分割を行うにあたり、認知症である相続人とその後見人である近親者との利益が対立する場合には、遺産分割協議における第三者の特別代理人を立てられます。

特別代理人の選定にも家庭裁判所の審判が必要です。

法定後見制度や成年後見制度における注意点やデメリット

相続人に認知症の人がいても遺産分割協議を可能にする法定後見制度や成年後見制度ですが、相続手続きを行うための制度ではありません。遺産分割協議を進めるためだけに利用すると思わぬデメリットとなる場合もあり注意が必要です。

それでは、どのような点に注意するべきか、どんなデメリットがあるのかを詳細に説明していきたいと思います。

成年後見制度は遺産分割するためだけの制度ではない

成年後見制度は、判断能力が低下し意思表示ができない認知症などの人の財産を守るためにある制度です。相続手続きや遺産分割協議を進めるための制度ではないことを、しっかり認識しておきましょう。

認知症の人の財産をその人が亡くなるまで管理しつづけるのが成年後見人です。一生涯、被後見人の財産を守り、毎年家庭裁判所に報告し続けなければなりません。成年後見人をやめることはできず、成年後見人になったことを後悔してしまうといったケースもあります。

成年後見人には誰がなるべきか?

誰が成年後見人になるかということも重要な問題です。遺産分割においては、利益が相反する親族は成年後見人になれません。

例えば、亡くなった父の遺産を相続する場合、母と子が相続人となります。その際、母が認知症でも子は遺産分割で利益が相反するため、子が母の成年後見人になれない場合があります。

また、司法書士や弁護士などの専門家が選任されることも多く、その場合は長期にわたって報酬の支払いが発生します。そのため、長期的に費用がかかり、高額なコストがかかることもあります。

成年後見人をつけても遺産分割は自由にできない

そもそも法的判断能力が低い人の財産を守る制度のため、遺産分割も法定相続分の割合を基準に、本人の財産が守られるための協議内容に従います。また、成年被後見人の財産は家庭裁判所の管轄下におかれます。

そのため、できるだけ相続税がかからない遺産分割を行いたいと思っても、遺産分割を自由に行うことはできません。

法定後見制度や成年後見制度は時間と費用がかかる場合も

法定後見制度の利用は、時間と費用がかかることを覚悟しておくことも必要です。家庭裁判所に申し立てしたとしても、すぐに後見が開始されるわけではなく、本当に法定後見人が必要かを審査されます。

第三者の専門家から法定後見人が選任される場合は、その選任手続きにも数か月の時間がかかり、法定後見人が選任されるまでは遺産分割協議は行えません。

また、専門家により法定後見人の必要性が審査される場合は、10万円以上の高額な鑑定費用がかかることもあり注意が必要です。

相続手続きを行わなかったらどうなるか?

遺産分割は時間や費用がかかり、成年後見人の申請も面倒だからと、相続手続きを放っておいた場合はどうなるのでしょうか?相続税などの申告義務を果たさないと、ペナルティやトラブルを引き起こす原因となるため要注意です。

相続税の申告が遅れるとペナルティを受ける

相続手続きには期限が定められています。相続税申告の期限は10か月となっており、期限に遅れた場合は延滞税や無申告加算税といった罰金を支払わなければなりません。

また、相続放棄は3か月以内に行わなければならないため、遺産分割を放っておくと、相続人は誰も遺産放棄ができなくなってしまいます。

相続人が死亡した場合、二次相続や数次相続が発生する

相続手続きを先延ばしにしているうちに、相続人の一人が亡くなってしまうと、その相続人の相続も行わなければならず、相続が重なってしまう二次相続や数次相続が発生してしまいます。

二次相続は一般的な相続手続きよりも複雑な権利関係になり、手続きも煩雑になってしまいます。相続手続きや遺産分割は、できるだけ速やかに行うのが賢明です。

相続人が認知症の場合は、よく考えて成年後見制度を利用しよう

成年後見制度は、法的判断能力が不十分な人の財産を守るための制度です。そのため、遺産分割協議で利用する場合、ほかの相続人にとっては不利益となる可能性もあります。

また、成年後見人は、成年被後見人が亡くなるまで財産の管理をし続けなければならず、費用や労力がかかります。しかし、遺産分割協議を進めるためには成年後見制度が必要となるケースも多いため、注意点やデメリットをしっかり理解して利用しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です