少子高齢化が急速に進む日本では中小企業の経営者の後継者不足も問題になっています。
中小企業は経営者の手腕により事業や会社経営が上手くいっているケースが多く、経営者が変わると共に事業内容や社風が大きく変わってしまう場合もあるでしょう。
これまで経営者が大切にしていた事業や社風を尊重し、その上で新しい時代の変化に対応していく後継者を見つけ育成していくのは非常に時間と手間がかかります。
先代経営者が引退するタイミングで後継者が見つからないと、事業の継続が困難になり従業員が職を失う可能性もあります。
中小企業経営者は早い段階から事業承継の計画を立てておくのが大切です。
本記事では相続に強い税理士が多数在籍する杉並・中野相続サポートセンターが事業承継に関する問題点や課題、対処法を解説していきます。
目次
帝国データバンクの調査によると、2021年の全国企業後継者不在率動向調査では61.5%の経営者が後継者不在と答えています。
関連サイト帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2021年)」
更に日本製策金融公庫の調査によると60歳以上の経営者のうちの約3割が廃業理由に後継者不足をあげています。
これらの調査からも日本の中小企業が抱える後継者不足や事業承継問題は深刻といえるでしょう。しかし中小企業が抱える事業承継の課題は後継者不足のみだけではありません。
中小企業の事業承継問題は原因が1つの場合は少なく、多くのケースではいくつかの問題が絡み合っています。事業承継で課題となる要素を5つ紹介していきます。
本記事でも解説しているように、後継者不足は中小企業の事業承継で大きな課題のひとつです。
上記のように「誰を後継者にしていいかわからない」「後継者候補が事業を継いでくれなかった」と頭を抱える経営者は多いです。
また後継者は見つければ良いだけでなく、今後も事業を継続していくために育成をする必要があります。
後継者を見つけ育成するのには非常に手間と時間がかかるので、事業承継の準備期間を取れないと悩む経営者は多いです。
先代経営者の親族や会社の役員、従業員に後継者候補が見つからない場合にはM&Aで事業承継をするのも選択肢のひとつです。
事業承継では先代経営者から後継者に自社株を生前贈与もしくは相続させるのが一般的です。
そのため後継者の贈与税や相続税の負担が大きくなってしまい、納税資金を用意できないケースも見受けられます。
自社株は後継者が事業を続けるためには必要なものであり、流動性も低いことから納税資金に悩んだとしても現金化は難しいでしょう。
そのため後継者は納税資金を用意するために、自分の手持ちの財産を処分しなければならない可能性もあります。
納税資金の確保が難しい場合には、事業承継にかかる贈与税や相続税を全額猶予、免除してくれる事業承継税制の活用を検討するのも良いでしょう。
中小企業の経営者の相続財産のほとんどを自社株が占める場合も多いです。
そして自社株をほとんど後継者に相続もしくは生前贈与してしまうと、他の相続人が不公平感を持つ可能性もあります。
上記のケースでも相続が発生してみるとトラブルに発展しまう可能性は否定できません。相続トラブルが発生してしまうと、遺産分割協議が進まずスムーズに事業承継ができなくなってしまいます。
上記のケースでは、せっかく事業承継をしたとしても取引先や従業員との関係がうまくいかず、事業そのものがこれまで通りに進まなくなる場合もあるでしょう。
経営者の中には事業承継の必要性を感じていない方もいます。
このように考えている経営者も多いですが、いつどこで何があるかは誰にも予測できません。経営者が元気で事業が順調なうちに事業承継計画を立てておくのが重要です。
「事業承継ってとにかく大変そう」「今すぐに考えなくても良いんじゃないか」とつい考えてしまう経営者の方向けに、一度事業承継ができなかった場合のリスクやデメリットを確認していきましょう。
事業承継ができなかった場合、経営者だけでなく従業員や取引先など様々な利害関係者に迷惑をかけてしまう可能性がありますよ。
後継者が見つからないなどの理由で事業承継がうまくいかないと、事業がうまくいっていて会社が黒字だったとしても廃業せざるを得ない可能性があります。
経営者がここまで育ててきた事業や会社を黒字の状態で清算もしくは廃業にするのは非常に心苦しいですよね。
事業承継がうまくいかず会社を廃業することになると、従業員たちは職を失ってしまいます。
こんなことを伝えたい経営者の方はいないのではないでしょうか。従業員たちにも生活があるので、彼らは職を失うと路頭に迷ってしまいます。
このように事業承継問題は経営者や会社だけでなく、従業員の生活や人生にも大きな影響を与えてしまいます。
廃業により事業を畳むと、自社で提供していた商品やサービスを提供できなくなります。社内の人物だけでなく、社外の利害関係者にも多大な迷惑をかけてしまう恐れがあります。
運よくM&Aの相手が見つかり、事業を継続させられれば良いですが時間に余裕がなく廃業に追い込まれてしまう場合もあるでしょう。
先ほど解説したように事業承継は経営者のみの問題ではなく、その会社の利害関係者全てに関わる問題です。
経営者の方は最後まで自分の事業や会社に責任を持ち、事業承継問題に対処していきましょう。事業承継問題への対処法を3つ紹介していきます。
「まだ引退するのは早い」と思う時期から事業承継対策を計画しておきましょう。健康トラブルはいつ起きるかわかりませんし、交通事故や災害に巻き込まれる可能性もあります。
このように事業承継問題をまずは自分事として捉えて対処していくことをおすすめします。
中小企業の経営者は事業承継対策を行うときには、同時に相続税対策をしておきましょう。
というのも、中小企業の経営者の相続財産のほとんどは自社株だからです。事業承継だけを進めてしまうと次のような問題が起きる可能性があります。
これまで個人の財産を会社の財産を分けて管理していた場合でも、事業承継や相続税対策時には合わせて考えるのが大切です。
事業承継計画は経営者のみでたてるのではなく、必要に応じて専門家に相談しましょう。
まずはこれらの専門家に相談してみるのがおすすめです。
ただし会社で契約している顧問税理士や顧問弁護士の中には事業承継に詳しくない方もいます。その場合には、事業承継に特化した税理士や弁護士に別途相談してみてください。
専門家に相談すれば自分一人で考えていたときよりも様々な提案をしてもらえますし、具体的な施策に移るときにもサポートしてもらえます。
事業承継は様々な選択肢があり、企業や経営者にとってそれぞれベストな対応が異なりますので、専門的な知識や経験が必要です。
自分に合った事業承継対策をしたいのであれば、事業承継に詳しい専門家に相談するのが良いでしょう。
特に事業承継に詳しい税理士であれば、相続税や贈与税を猶予してもらえる事業承継税制を適用する際にもサポート可能です。
杉並・中野相続サポートセンターでも、事業承継に関する相談を受け付けています。
このようにお悩みの経営者は一度、当サポートセンターにお問い合わせくださいませ。
当サポートセンターでは、必要に応じて弁護士や他の専門家と連携を取り、ご相談者様のサポートを一括で受け付けております。
当サポートセンターの対応エリアは以下の通りです。
杉並・中野相続サポートセンターは西荻窪駅・徒歩1分に事務所を構え、下記エリアを中心とした地域密着の相続相談を承っています。ぜひご相談ください。
初回利用者向けの無料相談会も開催しておりますので、まずは一度お気軽にお問い合わせください。
少子高齢化が進む日本では中小企業が抱える後継者不足は深刻な問題となっています。後継者探しや育成には時間と手間がかかります。
事業承継がうまくいかないと、黒字廃業や従業員や取引先にも多大な迷惑をかけてしまう可能性があるのでご注意ください。経営者は早い段階から事業承継の計画を立てておくのが良いでしょう。
「事業承継対策を何から始めれば良いかわからない」「事業承継に使える制度を知りたい」などお悩みの方は、事業承継に詳しい税理士などの専門家にご相談ください。