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相続税を葬式費用で減らせるってほんと?控除の対象になる範囲とは?

故人の財産を相続することになり、相続税の申告が必要になったときに、相続税を減らしたいと思う方も多いでしょう。相続税では、葬式費用も控除の対象になっているのをご存じでしょうか?

しかし、葬式には、火葬や埋葬でかかるお金以外にも、墓代、お布施代などさまざまな費用がかかります。しかし、なかには相続税の控除対象にならない費用もあり、申告の際、注意が必要です。

ここでは、相続税から控除できる葬式費用や、相続税から葬儀費用を控除するためのポイントについて詳しく解説していきます。余計な税金を支払わずに正しい申告をするための、知っておきたい知識が満載です。

そもそも葬式とは?

さまざまな宗教を信仰している人がいる日本では、葬式の種類も多様化しています。宗教の種類や地域によって大きな違いがあり、かかる金額も変化。葬式を大きく分類してみると、以下の4種類となります。

  • 火葬または直葬…お通夜や告別式がなく、火葬のみ行う葬式
  • 一日葬…お通夜を行わず、告別式だけの葬式
  • 家族葬…お通夜、告別式を行うが50名以下の近親者だけで行う葬式
  • 一般葬…お通夜、告別式を行い50名以上の人が参列する葬式

以上のように葬式の形態によって、葬式費用は大きく異なります。近年では葬式費用を数十万円に抑えたシンプルな葬式も増加。しかし、一般的な葬式ではおおよそ200万円の費用がかかると言われています。

200万円の費用を相続税から控除できれば、一番低い税率の10%を想定しても20万円もの節税が可能です。

相続税から葬式費用が控除される理由と範囲は?

そもそも相続税の控除対象は「故人がなくなったときに確定している債務」という原則があります。

しかし、葬式費用は故人の債務でもないのに、なぜ相続税控除の対象となるのでしょうか?その理由は、人が亡くなったときに必要不可欠な費用だからです。

葬式費用の控除額には上限が定められておらず、控除対象の範囲内ならいくらでも控除されます。

葬式費用は誰が控除を受けられるの?

相続税から葬式費用を控除できる人は、その葬式費用を負担した人です。それでは、誰が葬式費用を負担すると、最も相続税を節税できるのでしょうか?

仮に、故人の配偶者が喪主となり、葬式費用も配偶者が支払ったとします。しかし、配偶者は「配偶者控除」とも呼ばれている「配偶者の税額軽減の特例」で相続税の控除が可能です。1億6000万円までは相続税がかからないため、葬式費用を支払っても控除が発生しない場合があります。

その場合、葬式費用は子が負担すれば、相続税の控除を受けられます。葬式費用は喪主が負担しなければいけないという決まりはありません。相続税の控除を優先するなら、子が葬式費用を負担した方が、節税効果が高くなります。

葬式費用を控除するために押さえておきたいポイント

葬式費用で支払った領収書は、全て捨てずにしっかり保管しておきましょう。領収書は再発行されないものなので、紛失しないことが重要です。

領収書の宛名は、葬儀費用を支払った相続人か喪主の名前を明記してもらいます。領収書の宛名を空欄のまま受け取らないようにしましょう。

葬式費用で控除を受けるためには、葬式費用の領収書を添付しなければなりません。申告している支払いの領収書がないと、架空の支払いを計上していると疑われてしまう場合もあります。

葬式費用のなかには、お布施や葬式を手伝ってくれた親族への心づけなど、領収書が発行されない出費もあります。領収書がない出費については「いつ・誰に・いくら」支払ったかをノートや帳簿に記録しておきましょう。この記録が領収書替わりの証拠資料となります。

お布施は高額な支払いとなるため、「支払日・支払先の寺名・所在地・電話番号」を詳しく記録に残します。正確な情報が必要になるため、支払ったらすぐに記録するように心がけてください。

最近では、領収書を渡してくれるお寺もあるので、お寺に問い合わせてみるのも良いでしょう。

ちなみに、参列者からいただく香典は、喪主への贈与という扱いになります。故人からの相続財産にはならず、相続税の対象にはなりません。また、常識的な金額なら、贈与税などもかかりません。非課税で自由に使えるお金です。

相続税控除の対象になる葬式費用とは?

相続税の控除で認められる葬式費用とは、「葬式を執り行う際に必ずかかる費用」です。葬式で必要不可欠な費用は葬式費用として認められますが、葬式を行う際になくても済むものは該当しません。</

それでは、相続税から控除できる葬式費用を箇条書きで紹介していきましょう。

  • お通夜や告別式などを執り行うために葬儀社に払った費用
  • お通夜や告別式での飲食代
  • 葬式を手伝ってくれた人への心づけ
  • 戒名代や読経代、お布施などお寺に支払ったお金
  • 火葬や埋葬に加え、納骨にかかった費用
  • 遺体の捜索にかかった費用や、遺体や遺骨を運ぶのにかかったお金
  • 香典返しとは別に参列者にお礼した場合の会葬返礼費

相続税の控除対象にならない葬式費用とは?

葬式と関係がありそうなのに、控除を受けられない出費もなかにはあります。どんな費用が控除の対象外となるのか詳しく説明していきましょう。

①香典返しにかかったお金

香典返しは、参列者から故人に供えられたお香典のお返しに、喪主が参列者に贈る品物です。一般的に四十九日を過ぎたころに贈ります。香典返しにかかった費用は葬式費用として認められません。

ただし、香典返しとは別に会葬返礼品を贈っている場合、会葬返礼品にかかった費用は控除の対象となります。

②お墓や仏壇、豪華な位牌にかかった費用

墓地や仏壇、金や漆を使った位牌については葬式とは直接関連がないため、葬式費用には認められません。しかし、白木でできた位牌は葬式で必要なものとみなされ、控除の対象となります。

また、墓地は葬儀費用には含まれませんが、故人が生前に購入していた場合は「祭祀財産」として、相続税が非課税となります。

③初七日や四十九日など法事の費用

初七日や四十九日などといった法事にかかった費用は葬式費用には含まれません。ただし、葬式と一緒に「繰り上げ初七日」を行い費用が区別できない場合は、葬式費用として控除の対象になります。

また、四十九日に行われる納骨にかかった費用のみ葬式費用とみなされます。納骨代の控除申告を忘れないようにしましょう。

④遺体の解剖費用や裁判にかかったお金

遺体の捜索費用や運搬代は葬式費用に含まれますが、病理解剖や司法解剖にかかった医療費は葬式とは関係ないため葬式費用には該当しません。また、裁判などにかかったお金も同様です。

要注意!こんな人は相続税から葬式費用を控除できない

葬式費用を負担しても、相続する人によっては相続税を控除できないこともあります。以下の人は、相続税から葬式費用を控除することができないので、気を付けましょう。

・法定相続人や包括受遺者ではなく、特定遺贈を受けた特定受遺者
・外国籍で相続人が日本にいない人や10年以上日本に住んでいない制限納税義務者

もしも2回葬式を行ったら?

仮葬と本葬など、出身地や現住所の2か所で2回葬式を執り行った場合、以下の条件に合えばどちらも葬式費用と認められます。

  • どちらの葬儀も参列者の便宜のために行い、納骨前に期間を空けずに同様に行った場合。
  • どちらの葬儀も死者を葬るための儀式で、法要や法事ではないこと

葬式費用は凍結した口座から支払える

原則的に、亡くなった人の口座は凍結されてお金を引き出すことができません。しかし、2019年7月に法改正が行われ、相続人1人につき150万円までを凍結された口座から引き出すことが可能になりました。

そのため、葬式費用を故人の口座から引き出して支払うことが可能です。

◎葬式費用の相続税控除は正確に!

葬式費用には、相続税の控除対象となる費用と控除の対象外となる費用があることを忘れないようにしましょう。間違えると、支払う必要のない額を納税してしまうことや、逆に納税額が足りなくて修正申告が必要になってしまうことにつながってしまいます。また、葬式費用を相続税から控除する際に必要となる領収書や支払った記録は、しっかり管理しておくことが重要です。

ご家族の葬儀が終わり、相続申告の準備を始めたいけれど、相談先が判らないという方はぜひ当サポートセンターまでお気軽にお問い合わせくださいませ。