相続したアパートの立ち退き交渉の流れ・立ち退き料は経費になる?

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相続したアパートの立ち退き交渉の流れ・立ち退き料は経費になる?

賃貸契約では、借地借家法によって借主側の権利が手厚く守られています。そのため、貸主側からは正当事由がないと立ち退き要求を行えません。

他人に貸し出していたアパートを相続したときの取り扱いも同様であり、立ち退きを求める際には正当事由および立ち退き料の支払いが必要です。

本記事では、相続したアパートの立ち退き料相場や交渉の流れを相続に強い税理士が多数在籍する杉並・中野相続サポートセンターが解説していきます。

貸主側は正当事由がないと
立ち退き要求を行えない

本記事の冒頭でも解説したように、日本では借地借家法により借主側の権利が手厚く守られています。そのため、普通借家契約の場合、貸主側からの立ち退き要求には正当事由が必要です。

一方で、契約種類が定期借家契約の場合には、契約期間が満了になれば自動的に解約されます。

立ち退き要求の正当事由として認められるケースは、主に下記の通りです。

  • 所有者が建物を使用するケース
  • 家賃の滞納が繰り返されるケース
  • 建物が老朽化していて取り壊しが必要なケース
  • 所有者が建物の売却をしたいケース

なお、誤解されがちですが、立ち退き料を払うことは正当事由に該当しません。

立ち退き料はあくまでも、正当事由を補完する要素であり必ずしも支払う必要はありません。

ただ、借主との立ち退き交渉が難航し、調停や裁判に発展した場合には立ち退き料をいくら払っているかが重要な要素となってきます。

相続したアパートの立ち退き交渉の流れ

相続したアパートに自分が住みたい、老朽化しているので取り壊して再開発したいなどの理由で立ち退きを求めるケースもあるでしょう。

相続したアパートの立ち退き交渉の流れは、下記の通りです。

  1. 立ち退きの経緯・賃貸借契約を更新しないことを書面で伝える
  2. 口頭で立ち退き交渉を行う
  3. 立ち退き料を交渉・決定する
  4. 立ち退き合意書を作成する
  5. 借主に立ち退きしてもらう

それぞれ詳しく解説していきます。

立ち退きの経緯・賃貸借契約を更新しないことを書面で伝える

まずは、立ち退きの経緯や賃貸借契約を更新しないことを借主に書面で伝えましょう。立ち退き要求は、賃貸契約更新の1年~6ヶ月前に行わなければならないと法律で決められています。

そのため、書面も必ず契約更新日の6ヶ月以上前に送らなければなりません。

書面に関しては、弁護士に作成してもらうこともできますが、自分で作成も可能です。また、書面は送った内容や日付が記録される内容証明郵便で送ると安心です。

口頭で立ち退き交渉を行う

書面で伝えた後、入居者と日程調整を行い、口頭で立ち退き交渉を行いましょう。

立ち退き交渉時に借主の立ち退き後の住居候補として近隣物件で価格帯や条件が似ている物件リストを用意しておくと話し合いを進めやすくなります。

不動産会社に依頼して、リストを用意してもらうのも良いでしょう。

立ち退き料を交渉・決定する

借主に立ち退きのお願いをするとともに、立ち退き料交渉も進めましょう。立ち退き料の支払いは義務ではありませんが、払った方が交渉がスムーズに進む場合が多いです。

なお、本記事の後半で解説しますが、立ち退き料の相場は家賃の5~6ヶ月程度です。

ただし、あくまで相場なので立ち退き料交渉が難航すれば、金額も増える恐れがあります。

立ち退き合意書を作成する

借主と貸主で交渉が終了したら、決まった内容を立ち退き合意書にまとめます。立ち退き合意書を作っておけば、借主と貸主で後々トラブルが起きるリスクを減らせます。

借主に立ち退きしてもらう

立ち退き交渉が完了したら、借主の退去手続きに移ります。

交渉が難航した場合、調停や裁判に進みますが、貸主側の主張が認められれば最終的には退去が強制執行になります。

相続したアパートの立ち退き料の相場

立ち退き料の相場は、法律によって決められているわけではありません。ただし、過去の事例などから家賃の5〜6ヶ月分を立ち退き料の相場になっているケースが多いです。

借主と円滑に交渉を進めたいのであれば、家賃5~6ヶ月分を考慮して立ち退き料を設定しましょう。

また、立ち退き料の内訳は下記の通りです。

  • 引越し費用
  • 新居の敷金・礼金
  • 不動産会社に払う仲介手数料
  • インターネット回線の契約、移転費用

立ち退き料を見積もる際には、上記の内訳を意識するのも良いでしょう。

アパートの立ち退き料は経費に含まれる?

相続したアパートで立ち退き料を払った場合、経費や譲渡費用に含められます。それぞれ詳しく解説していきます。

売却が理由で支払った立ち退き料は売却費用に含まれる

アパート売却が理由で立ち退き要求した場合、支払った立ち退き料は譲渡所得税を計算する際に売却費用に含められます。

譲渡所得税は、譲渡所得×所有期間に応じた税率で計算可能です。譲渡所得は以下の計算式で算出します。

譲渡所得=売却代金ー(取得費+売却費用)

上記のように、売却費用が多くなればなるほど譲渡所得が減り、節税できます。立ち退き料を払った際には、立ち退き合意書や支払い記録などを残しておきましょう。

売却以外の理由で賃借人に支払った立ち退き料は経費になる

アパートの再開発など売却以外の目的で立ち退き要求をした場合、払った立ち退き料は不動産所得計算時に経費に含められます。

アパートの立ち退き料を抑えるコツ

貸主側の立場からしたら、アパートの立ち退き料はできるだけ抑えたいはずです。立ち退き交渉のタイミングや内容を工夫し、立ち退き料を少しでも抑えるコツを紹介します。

空き室が増えたタイミングで立ち退き交渉を行う

相続したアパートの老朽化がひどいので取り壊したいと考える場合には、空き室が増えたタイミングで立ち退き交渉を行うのもおすすめです。

例えば、下記の条件のアパート立ち退き料を計算してみましょう。

  • 1室ごとの立ち退き料は60万円
  • 20部屋あるアパート
  • 取り壊しにより全部屋の立ち退き交渉を行いたい

20部屋すべて埋まっている状況で立ち退き交渉をすると、60万円×20部屋=1200万円も立ち退き料がかかります。

一方で、空室率が50%になったタイミングで立ち退き料交渉を行えば、60万円×10部屋=600万円ですみます。

立ち退きをそれほど急いでいない場合には、空き室が出ないか待ってみるのも良いでしょう。

立ち退き後の引っ越し先を用意する

賃貸用不動産を複数相続した場合には、立ち退き要求時に相続した別のアパートやマンションを引っ越し先として提供すると空室を減らすことができる上に立ち退き交渉が上手く行きやすいです。

立ち退きを依頼した部屋の原状回復不要にする

相続したアパートの取り壊しや建替えによる立ち退きの場合には、借主の原状回復を不要にするのも有効です。

そもそも、立ち退き後に建物を取り壊す場合には原状回復をしてもらっても意味がないので、原状回復不要と交渉するのは借主・貸主双方にメリットが大きいです。

アパートの相続税申告は
当サポートセンターにお任せください

被相続人が賃貸として他人に貸していたアパートを遺して亡くなった場合、アパートは相続財産に含まれます。

アパートの土地、建物部分それぞれの相続税評価額を計算し、相続税がかかるかどうか、いくら納税すれば良いかを計算しなければなりません。

また、被相続人が賃貸業を営んでいた場合には、相続人の相続税申告とは別に被相続人の所得税を相続人が計算、申告する準確定申告も必要です。

準確定申告および相続税申告は期限が決まっていますので、ミスなく確実に終えたい人は相続に強い税理士が多数在籍する「杉並・中野相続サポートセンター」までご相談ください。

当サポートセンターでは開業して30年以来、2,500件を超える相続の相談をお受けしてきました。その経験や知識を活かしてご相談者様一人ひとりの希望や資産状況に合ったご提案をいたします。

当サポートセンター・対応エリア

初回利用者向けの無料相談も行っておりますので、相続に関する疑問やお悩みをお持ちの方はお気軽にお問い合わせくださいませ。

まとめ

賃貸用のアパートを相続し、自分が住みたい、建て替えをしたいと考えたときには借主へ立ち退き要求をする必要があります。

ただ、貸主側からの立ち退き要求時には正当事由が必要であり、借主との交渉内容によっては立ち退き料を払うケースも多いです。

また、相続したアパートには相続税がかかる可能性があります。不動産の相続税評価額を正確に算出するには、相続や税金に関する専門的な知識が必要です。

自分で相続税の計算や申告をするのが難しい場合には、相続に詳しい税理士に相談するのもおすすめです。もちろん、当局も相続のすべてを経験豊かな税理士がサポートいたします。ぜひ初回無料相談をご利用くださいませ。

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