上場・非上場株式の相続税評価の計算方法を税理士事務所が解説

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上場・非上場株式の相続税評価の計算方法を税理士事務所が解説

相続税を計算する上で、不動産と並んで複雑な計算が必要になるのが株式です。株式の相続税評価額の計算方法は、上場株式か非上場株式かでよって変わります。

中でも、非上場株式は発行会社にある現預金の金額の何十倍の評価にもなることがあり、いざ相続が発生した時に、相続人が相続税評価額のあまりにも大きいことに驚いくことも多いようです。

この記事では株式の相続税評価額の計算方法・上場株式・非上場株式それぞれの相続税評価額の計算方法を、相続に強い税理士が多数在籍する杉並・中野相続サポートセンターが解説していきます。

上場株式の評価はシンプル
4つの終値の中から最も低い金額で計算

上場株式は国内・海外を問わず日々取引がなされ、株価を客観的に把握することができます。そのため、上場株式の相続税評価額は、場の終値を用いて以下のうち最も低い株価で計算をします。

上場株式の相続税評価額計算方法

  • 相続開始日の終値
  • 相続開始日の当月のすべての営業日の終値の平均
  • 相続開始日の前月のすべての営業日の終値の平均
  • 相続開始日の前々月のすべての営業日の終値の平均

被相続人が休日に亡くなるなど、相続開始日に株取引が行われていない場合には前後で最も近い日の終値、前後が同じ近さの場合はその平均で計算を行います。

上場株式は取引価格(時価)がはっきりとしているので、相続税評価も行いやすいといえます。

関連サイト国税庁「No.4632上場株式の評価

非上場株式の評価方法は2種類
原則的評価方式と特例的評価方法

一方、株式市場で取引が行われていない非上場株式の相続税評価の方法は少々複雑です。 まず、非上場株式の相続税評価額の計算は、経営の支配状況によって方法が変わります。

同族株式グループの非上場株式の評価は原則的評価方式

同族株主とは、会社の株主のうち、同族関係者グループの有する議決権割合が、30%以上である場合の株主及びその同族関係者のことを指します。

相続税評価額を計算する場合には、同族関係者グループが占める議決権割合が50%超か否かで、評価方法が変わってきます。

50%超を占める同族関係者グループがいる場合には、その一団は「同族株主」として扱われ、相続時に保有する非上場株式は「原則的評価方式」により計算されます。

これは、同族株主グループは基本的に会社を自由に扱うことができる支配権を実質的に保有しているため、一定程度客観性の高い評価方式とする必要があるからです。

少数株主グループの非上場株式は配当還元方式

これに対し、同族株主グループではない株主たちのことを、少数株主グループと呼びます。

少数株主グループが保有する株式は、議決権の保有が少なく、経営への影響力が小さいとみなされ、少数株主グループが取得した株式の評価は原則的評価方式に比べ低く評価され得る株式として、「特例的評価方式=配当還元方式による評価」によるものとされます。

配当還元方式は、過去2年間の配当金額平均を、利率が10%という仮定の下で還元する方法です。配当還元方式による株価は以下の計算式で求めることができます。

(年間配当額÷10%)×(1株当たりの資本金等の額÷50円)

配当還元方式は原則的評価方式に比べ、評価額が低く出ることが多く、その分相続税負担も軽くなることが一般的です

関連サイト国税庁「No.4638取引相場のない株式の評価

原則的評価方式はさらに3つに分けられる

その1類似業種比準価額方式

類似業種比準価額方式とは、非上場株式を、同業種で上場している会社の株式と比較して、評価額を計算する方法です。

非上場会社の株式には明確な株価がないのに対し、上場会社の株式には明確な株価が市場で形成されており客観性が担保されています。

類似業種比準価額方式ではその上場会社の下記3要素を比較して非上場会社の株価を計算し、相続税評価額とする方法です。

  1. 利益水準
  2. 資産額の水準
  3. 配当水準

仮に、【1】利益水準、【2】資産額の水準、【3】配当水準の3要素が同業種の上場会社の3分の1程度であるならば、株価も3分の1の評価とすることになります。

その2純資産価額方式

純資産価額方式は会社を解散させたときに、株主に返ってくる金額、すなわち純資産価額をもって株価を計算する方法です。つまり、発行済み株式の総額は貸借対照表(B/S)の純資産の部の金額と近いものになるはずです。

ところが、実際に株価を計算してみると評価額は上振れすることが一般的です。

これは会社が長期間保有している株式や不動産が簿価のまま貸借対照表上に記載されており、含み益を持った状態になっているためです。

こうした会社が保有する資産の価格上昇による評価増は、規模の大小を問わず歴史のある優良企業でよくみられるケースです。こうした企業では事前に自社株評価を行うなどの対策を講じた方が良いでしょう。

その3類似業種比準価額方式と純資産価額方式の折衷方式

類似業種比準価額方式では株価が低く算出されやすく、純資産価額方式では株価は高く算出される傾向にあります。

そのため、一定規模の企業なら無条件で類似業種比準価額方式を採用できるとしてしまうと過度な相続税節税の温床になってしまいます。

そうした抜け道を生まないために、実際に非上場株式を評価する際には、会社の規模を従業員数・売上高・総資産額を使って判定し、その規模に応じて類似業種比準価額方式と純資産価額方式の割合を決める折衷方式が用いられることが一般的です。

ここで用いる会社規模の分類は2017年の法改正で5種類に分類されています。

従業員数70名以上の場合は無条件で大会社となり、純資産額方式又は類似業種比準価額方式のいずれかを選択するのに対し、取引額が8000万円~2億円未満かつ総資産額が5000万円以上、従業員数6人未満の場合は中会社【3】に区分され、純資産価額方式か類似業種比準価額方式6割+純資産価額方式4割の折衷方式を選択することができます。(卸売り業、小売り・サービス業以外)

会社規模が小さくなればなるほど、純資産価額方式の評価ウェイトが高くなるように設計されています。

また、規模が大きければ大きいほど類似業種比準価額方式のウェイトが高く、規模が小さい企業は純資産価額方式のウェイトを大きくして評価することになり、公平感が担保されるようになっています。

非上場株式と相続税対策
非上場株式の評価を下げる方法

歴史の長い優良企業の非上場株式の評価は高くなる傾向に

先にお伝えした通り、非上場株式を評価した場合、類似業種比準価額方式と純資産価額方式では純資産価額方式の方が高い評価額になる傾向があります。

当然のことながら評価額が高いとその分相続税負担も大きくなります。

特に、直近では大きな利益を上げてはいないものの、長年安定した経営を続けているようないわゆる“優良企業”は保有する土地・有価証券の簿価と時価に乖離があることが多く、実際に評価してみると思いがけなく高い評価額になることもよくあります。

また、株式会社ではありませんが医療法人の出資持分も非上場株式と同様の評価方式をとることとされており、配当ができない分、株式会社以上に出資持分が高く評価されることも多く、結果として相続時の負担増に繋がることが多くあります。

利益・純資産価額を下げられれば非上場株式の評価も下げられる

非上場株式の評価額が高いまま放置されると、いざ相続が発生したときに思わぬ税負担を被ることがあります。 それを避けるためには、事前に株式の評価額を引き下げておくことも有効な対策です。 株式の評価額を下げるための代表的な方法をご紹介します。

役員退職金を支給する 現経営者・役員に対して役員退職慰労金を支払う。支払った退職金の一定額は損金に算入できるため、利益を減少させる効果がある。
配当金を引き下げる(ゼロにする) 通常配当を引き下げる、またはゼロとすることで評価額を引き下げる。記念配当・特別配当は一時的な配当とされ、評価額に影響しない。
不良資産・不良債権を処分する 含み損のある資産や不良債権を売却することで損失を顕在化させ、利益を減少させる。老朽化した設備や含み損のある土地等の売却等も効果的。

上記以外にも株式数を増大させることで一株当たりの純資産を減少させる方法や、高収益部門の子会社化など様々な手法があります。

こうした事前の非上場株式の評価減対策は専門性が必要なることから税理士等の専門家に相談することをおすすめします。

株式の相続税評価なら
当サポートセンターにおまかせください

本記事で上場・非上場株式それぞれについて相続税評価額の計算方法を紹介してきましたが、実際の評価額計算手続きは複雑で難しいです。 相続税申告時のミスを避けるためにも、非上場株式を相続した際には相続専門の税理士に相談するのがおすすめです。

ただ、専門家であっても、相続税評価額の計算は相続税の申告や計算時特有のものであり、相続を専門に取り扱う税理士でないと判断に悩んでしまうケースも多いです。

  • 支払う相続税をできるだけ安くしたい
  • ミスなく相続税申告をしたい

上記のようにお考えの方は、相続税評価や相続税申告を相続専門の税理士に頼むのがおすすめです。

相続を専門にしている税理士であれば、相続税評価額の計算に関する知識や経験が豊富なので、評価額を安く抑えられます。

杉並・中野相続サポートセンターは、開業して開業して30年以来、杉並や中野エリアのご相談者様の相続サポートを行ってまいりました。

相続税評価額の計算から相続税申告まで一括でサポートが可能ですので、相続に関する疑問やお悩みがある方は、お気軽にお問合せください。

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